2015年10月2日金曜日

カウンセリング6  − ASD者の記憶・認知特性とB項目

カウンセリングに行ってきました。
前回混乱していたことを受けて、今回は特に準備がありません。
少し間が空きましたが、その間に考えたことや聞きたくなったことをメモして見せました。混乱した気分の他に、主に質問としては

「新DSMで、私の診断名はどうなるのか」

ということでした。

診断名にとらわれることに意味はないとわかっていても、「紙に書くことが出来る診断」というのは私のなかで「証拠」のような位置づけになっているようで、ばかばかしいのがわかっているのに不安定になります。

新DSM関連のページいくつか

http://synodos.jp/society/4414
http://www.e-satoh.com/DSM-V.html
http://ir.lib.sugiyama-u.ac.jp/dspace/bitstream/123456789/828/1/%E5%AE%AE%E5%B7%9D%E5%85%85%E5%8F%B8.pdf

これまで、「広汎性発達障害」(自閉症スペクトラム)の診断は、「コミュニケーションの障害」または「常同性」のどちらかがある、ことで診断がなされてきました。(ただし、これまでの診断基準というのは非常にあいまいで「イメージ」に基づいた診断をしてしまっているなどの問題も指摘されています)ところが、今回からは「コミュニケーションの障害」および「常同性」の両方 による診断がされることになりました。

そして、私の診断書には「常同性」にチェックがありませんでした。

そうして私はまた「あれ・・・?今まで自分が自閉症スペクトラムだと思ってしてきた工夫は何だったの・・・?」「ただのずるだったのかな、ちゃんと普通に頑張る必要があるのかもしれない、やろうと思えば出来るのかもしれない」の思考に飲み込まれて行きました。
いつもは、「障害があろうとなかろうと、楽になるように補ってすごせばいい」なんて書いている私ですが、それはいちばん、自分にいいきかせなくてはいけないことなのです。とっても苦手です。

ただ、Twitterでこの不安感を訴えたところ、どうやら「常同性」の下位項目が変わっているようでした。
そして、新DSMのくわしい解説ページを教えていただき、自己判断で「どうやら私は診断名は変わらないようだ」と思いました。

念のため(というより、自分で思ったことを信用出来ない私は)、それでもカウンセリングで確認してみたというわけです。

新しいDSMの日本語版を見せてもらいました。
「常同性」の項目について、「すべての下位項目に関する、共通した、根底にあるものは何か」ということを、説明してもらいました。

それは、どうやら「記憶や認識が頭の中でどう存在するか」という点であるという考え方があるそうです。

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いわゆる定型発達の人というのは、記憶や認識が順番に「積み上がっていきます」。その影響の受け方が一定です。

ところが、自閉症スペクトラムの人は、それがバラバラな傾向があるのだそうです。そのため、タイムスリップが起こったりする。そして、「ずっと一定に続いている、積み上がっている」ものがないゆえに、とても足場が不安定です(平気な人もいます)。(これ、あおさんの、「記憶は水に浮かぶ島のよう」という喩えと、ぴったり一致しますね。)

ゆえに、「エコラリア」や「常同行動」をすることで、「変わらないもの」をつくりだす。そうして安定をする、というひとつの方法。そして、ほんのわずかの「変化しないはずのもの」に頼って生きているがゆえに、それがかわることに非常に敏感である。(感覚過敏は微妙にずれますが)それがこのB項目の「常同性」ということなのだそうです。

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これは諸説あるうちの1つだと思いますし、カウンセラーさん自身も「僕もよくわかってはいない」と言いつつ、苦労しながら説明してくださったことです。
そして、それをさらに私のフィルターを通して書いたものですので、完璧なものではありません。

しかし、たしかにこういうふしはあるなぁと思いました。

そして、やはり私はこういう診断の部分に、苦しいにも関わらず、ばかばかしいとわかっているのにこだわってしまう(もしかして、これもB項目のひとつでは、と思います)。
そういう部分が大きいので、これからは、問題解決型ではなく、少しどういう方向か決めずに、「私はどういう位置づけなのか?」という足場を安定させるためのカウンセリングになるそうです。

なんだか不毛な気もしますが、私に必要なことだとも思います。
じりじりとしか進みませんが、また次回、どんなお話になるか、楽しみです。



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