2015年7月7日火曜日

診断の危険性

発達障害のある人は診断を受けることをポジティブに捉えることが多い傾向があるように感じます。

私はそうです。

実際、診断を受けてから、自分で工夫するためのヒントを「発達障害」というキーワードを使って得ることが容易になり、工夫がやりやすくなりました。自分を理解する、周りを理解するために、楽になるために、とてもいいと思います。どんどん調べて自分を知ることはいいことです。

しかし一方でこんなことがありました。

うつで特性がきつく出ていたというのもありましたが、、
診断を受けて、自分で発達障害について調べるようになり、特性が一時的に強くなりました

これは周囲の指摘からわかったことで、自分では全くわからなかったことです。

「私は発達障害ということは、この本に書いてあるようなことを全部しなきゃいけないんだ」「全部当てはまっていないときは、私は定形なんだから、もっと頑張って自分でどうにかしなくちゃいけないんだ」

という思考がはたらいたのだと思います。
さらに、調べれば調べるほど自分の頭のなかが整理されて心地がいいので、どんどん調べます。もともとハマりやすい性格ですから、際限がありません。
発達障害者の言動は全て同じではないことは当然どんな書籍・記事にも載ってはいるのですが、どうしてもこのような思考にいたってしまいやすいようです。
特に私の場合適応が良く見えるほうで、困っていても診断が出にくいタイプです。

わかってもらうことが全てではない。
私の全てが発達障害で構成されているわけではない。

そう理解はしていても、文字で書かれた「発達障害の特徴」を頭にインプットすると、自動的に身体がそうなってしまうことがあります。
そして、特性持ちであるために、そういう「発達障害の特徴」と言われる言動パターンというのはとてもマッチしやすく、すんなり習得できてしまう。自己刺激行動は落ち着く(特に不安定になっている時期はそうだと思います)。

そういうわけで、特性が一時的に強くなりました。
普通になりたいわけではありませんが、たいていのそういった言動というのは当事者本人も「やりたくてやってるわけではありません」。ですから、これはあまりいいことではないです。

必要な道だったのかもしれませんが、もしかしたらそのままドツボにはまって抜け出せず、「困りたい人」になっていた可能性があり、気持ち悪くてぞっとします。

診断を受けることはいいことですが、こういった危険性も、特に自閉のある人は起こる事があります。
診断を受ける時期や周囲のサポート、自分の心構え、診断を受けた後の環境や気持ち、バランスの取り方はとても大切です。
特に成人の場合、それまでの苦しみ・恨みを一気に晴らすはけ口になると、本人も周囲も、成長のないつらい状態になってしまうことがあると思います。
診断は万能では無いし、診断を受けても何ら当事者本人の性質に変化はないこと、医師との関係の作り方、いろいろな要因を理解した上で診断は受けたほうがいいです。

それどころじゃない状況で診断を受けることが多いですし、私も実際にそうだったわけですが、それでも、記録として。そして、発達障害についてハマって調べている人が、ふと立ち止まれるために。


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